旅の報告29/ブータン
パロのお祭りとタクツァン僧院
自然を楽しみながら村々を訪ねるトレッキングを満喫した後に、パロで行われるブータン最大規模のツェチュ(お祭り)と、ブータン国民が一生に一度は参拝したいと願う信仰の聖地、タクツァン僧院を訪れましたのでご報告いたします。(ワイルド・ナビゲーション/福山)
ブータン最大規模のお祭り“パロ・ツェチュ”の初日はゾン(城郭)の中庭からスタートします。
ツェチュとはブータンの人々が仏教において最も尊敬する、チベット仏教の開祖、パドマ・サンババ(グル・リンポチェ)の法要の意味を持ち、5日間にわたり、場所を変えながら様々な踊りや劇が演じられていきます。
私たちは初日、ゾンで演じられる“チャム”と呼ばれる仮面舞踏をいくつか見ることができました。
そしてツェチュが始まりしばらくたった頃、現国王夫妻が会場にやって来ました。昨年、新婚旅行で来日し、ブータン人気のきっかけにもなったワンチュク国王夫妻を今回、間近で拝見できる機会に恵まれたのはラッキーでした。
その後、ツェチュの会場を後にし、ブータンで最古の寺院のひとつ、キチュ・ラカンを拝観しました。折しも季節は春、日本と同じように桜、モクレン、花モモなどが咲きほこる中、静かな古刹をゆっくり訪ねることができました。
翌日はいよいよタクツァン僧院への参拝です。標高約3,100mの“天空”にある聖地、タクツァン(トラの巣の意味)には、崖の上にいくつもの伽藍が鎮座しています。 スタート地点の駐車場でもすでに2,500mを越える高さなので高山病の心配も少なく、トレッキングルートも整備されているので、健康な人であれば徒歩約3時間で到着します。さて、軽く準備体操をしてから出発しましょう。
ルートの途中には眺めの良いカフェ・レストランがあり、お茶を飲みながら絶景を楽しみつつ、休憩を取ることができます。
さあ、いよいよ寺院の全容が見えるところまでやって来ました。あとひと息で到着です。ルンタ(経文旗)がたなびく橋を渡って到着です。
信仰心の厚いブータンでは寺院の内部の撮影は禁止のため、写真をお見せできないのが残念ですが、極彩色に彩られた仏像や六道輪廻図などに代表される宗教画、色とりどりの供物などと相まって、思いのほか堂内は“華麗”なイメージです。
1時間ほど拝観してからタクツァン僧院を後にしました。下山路ではブータン人ガイドさんに歌を教えてもらい、楽しく合唱しながら歩きました。途中でブータン政府で首相フェローとして働く高橋さんとご家族に偶然お会いしました。ブータンの政策としてはGNH(国民総幸福量)が有名ですが、現在のブータンが抱える問題など、貴重なお話しを伺うことができました。
今回の旅ではブータンの豊かな自然はもちろん、そこに暮す人々の心の温かさを感じることができました。
さらに、たくさんのブータンの人々と接することができ、コミュニケーションを楽しめたのも有意義でした。
近年、首都ティンプー周辺では都市化が進み、地方との格差が拡がりつつありますが、自然や人を含め、ブータンの良さという点では地方にこそ“ブータンらしさ”が残っているのかもしれません。
これからブータンへの旅をお考えの皆さまには、ぜひ地方の“田舎”へお越しいただくことをおすすめいたします。
ご質問やご相談など ワイルド・ナビゲーション までお気軽にご連絡ください。
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