Column 28
白根全さんのペルーの話 6・セビチェの謎
ペルーを代表する料理の筆頭に挙げられるのが「セビチェ」。ひとことで言えば魚介類のマリネだが、やはりグルメ帝国の美味代表だけあって簡単には片づけられない。一番ポピュラーなのが「セビチェ・ミスト(ミックス・セビチェ)」で、ヒラメやタイなど白身魚やエビイカタコカイなどのシーフードをレモン汁であえ、紫タマネギやコリアンダーを加えて、アヒ(トウガラシ)を効かしたさわやかな酢の物風の一皿。必ずサツマイモが添えられていて、その甘みでアヒのピリ辛味を中和することと、ネタが新鮮な午前中からお昼過ぎまでに食するもの、というのがお約束だ。
超絶美味なカニのセビチェ
グルメツアー(食べ歩きツアー)でもっとも受けているのは生ウニのセビチェだが、ほかにカニやホタテ、3人に一人はお腹をこわすというロシアン・ルーレット並みのコンチャ・ネグラ(赤貝)などなど、種類も多々ありで奥が深い。魚介類の旨味成分がたっぷり溶け出したセビチェの汁「レチェ・デ・ティグレ(トラのミルク)」をぐっと一気飲みするのが、この業界では通と呼ばれる。
全身複雑骨折系の生ウニのセビチェ
ちなみにセビチェの語源は、アヒの辛さに思わず毒づいたアメリカ人の「サノバ・ビッチ」が訛ったというのが、グルメツアー名誉アドバイザーの板前トシさんの説だが、詳細は不明。ただしペルーの代表的料理といっても、「海のグレートジャーニー」で3年越し入り浸ったフィリピンの海上でもほとんど同じ味に出会っていたので、そのルーツがアジア方面の可能性もありか?
(カーニバル評論家/白根 全)
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