石坂博文さんの Column
2018ヨーロッパ・アルプス ツアー日記
モンブラン・ガイド登山 登頂記
2018年 7月25日〜8月3日
ワイルド・ナビゲーションのアルプス登頂ツアー(個人手配ツアー)
モンブラン登頂
2018年夏のワイルドナビゲーションのモンブラン登頂ガイドツアー。今回のお客様は、数年前にマッターホルンをご案内したお客様の紹介です。このようにガイドをしたお客様に喜んでいただいて、ご友人を紹介いただけるのはガイド冥利に尽きます。
今回は日本発着10日間の日程で、シャモニーでの事前トレーニングが2日のプラン。山小屋泊にするかシャモニーから通いのトレーニングにするか迷いましたが、登頂日の天候がはっきりしないため、山小屋の変更等を臨機応変に対応できるようシャモニーからの通いのトレーニングに決定しました。
フレジャールに新しいヴィアフェラーター(注)ができたと聞いて、ヴィアフェラータとその上に繋がる岩登りのルートに行くことにしました。背後にはモンブランを始めシャモニー針峰群やグランドジョラスが広がり、時差ぼけ解消と、飛行機移動でこわばった体をほぐしながらのトレーニングでした。
ヴィアフェラータの上に続くクライミングルートは、テートルース小屋からグーテ小屋までの岩場のルートに似ている所があるので、足の置き方やホールドの持ち方、そして呼吸法を伝えながら、丸1日のトレーニングをすることができました。
(注)ヴィアフェラータとは、通常クライミングでいくような難しい岩壁に、ステップや手すり、専用のカラビナをかけるケーブルを装備してあるルート
2日目は高度順応です。ヴァレーブランシュのパノラミック・モンブランのテレキャビンが故障で運休のため、朝一のバスでイタリア側へ移動して、エルブロネルからエギュードゥミディまでの縦走。ダンデジュアン、グラン・キャピサンなどの針峰を眺めながら、徐々にスピードを上げていきます。今日もまた呼吸法のトレーニングをしながら1日ゆっくり時間をかけて縦走しました。
その日の夜、天気予報を見ながらテートルース小屋&グーテ小屋2泊3日のパターンでいくことに決定。トレーニング3日目は、お客様自身でエギュー・ドゥ・ミディに出かけて2〜3時間滞在してもらいました。
4日目。いよいよモンブランのアタック開始。今日はテートルース小屋に行くだけなので、午後の出発でも良いのですが、暑さを避けたいのと、明日のアタックに備えて小屋でのんびりお昼寝などもしたいので、朝一の登山電車を目指して朝食をとり、バスとゴンドラを乗りついでベルビューの駅に向かいす。
ところが、いきなりハプニング発生。昨日の雨と雷のせいで電線が切れたとかで電車が運休。仕方なく、ニーデーグルまでプラス2時間のハイキング。これも順応のトレーニングのプラスになると前向きに考えて歩くことにしました。いつも電車で通過してしまう場所のハイキングですが、いつもと違う風景が新鮮です。結局、4時間でテートルース小屋に到着。昼食を取ってからお昼寝をして、明日の早朝の出発に備えます。
モンブラン登頂日。今日はモンブラン登頂後、グーテ小屋に泊まる予定なので4時半朝食、5時の出発としました。1泊2日ではなく2泊でモンブランを目指すメリットは、グランクールアールを明るくなった時に通過できる事と、帰路、落石の多い午後にグランクールアールを通過しなくても良いことだと思います。
高度順応が順調だった事もあり、グーテ小屋に2時間で到着。30分ほど休憩して山頂を目指して再出発。山頂付近ではややペースが落ちたものの3時間半ほどでモンブランの山頂を踏むことができました。
予定通りにモンブラン登頂が終了したので、予備日はブレバンへ出かけて簡単なクライミング。
次回はマッターホルンを目指したいということで、岩に慣れる練習をしていただきました。
(サッポロ・マウンテンタイム/石坂 博文)
ヨーロッパ・アルプスの登頂ツアー
最新のツアーの詳細はこちら→
こんなツアーもお好きかも
ヨーロッパ・アルプスの旅
登頂