オーロラを見にどこに行くか
オーロラ観賞の目的地は、一般的にはアクセスや金額から北米か北欧になると思います。具体的には北米であればアラスカのフェアバンクス周辺か、カナダのイエローナイフ周辺です。アラスカのデナリ周辺や、カナダ・ユーコン準州のホワイトホースなどは、緯度が少し低くなるので、オーロラがやや低い位置に出ることが多いですが、場所的な魅力を考えると出かけてみたい場所だと思います。
北欧ですとフィンランド、ノルウェー、スウェーデンの3カ国が、航空券などのアクセスが良く人気です。アイスランドやグリーランド(デンマーク領)もオーロラ観賞ができる国々ですので、一般的にはこの中で選ぶことになると思います。
少し乱暴な考え方かもしれませんが、旅の目的が何よりもオーロラ観賞の場合は、フェアバンクス周辺(アラスカ)かイエローナイフ周辺(カナダ)が無難だと思います。悪天候にあたってしまった場合は残念ですが、内陸部ですので時期を選べば、天候が安定していて、湿度が低いので空気もクリアでオーロラの輪郭もくっきり見えることが多いのではないかと思います。
グリーンランドを除く北欧の場合は、オーロラ以外に観光的な要素を楽しみたい方にお勧めしたいと思います。お買い物も含めて、観光の要素は北米よりも多いと思います。また、気温も北米に比べてマイルドなので、真冬でなければお手持ちの防寒具で出かけても困らないかもしれません。
また、北欧の場合、ロッジにサウナがあることが多い(ほとんど)ので、サウナ好きの方は北欧にお出かけになると本場のサウナをお楽しみになれると思います。
オーロラ・ツアーの滞在場所
滞在場所の選択肢はある意味、無数にありますので、ワイルド・ナビゲーションのHP ですべてをご紹介することはできませんが、ワイルドナビが考えるお勧めの場所やプランを中心に、HP でご紹介しております。
カナダのイエローナイフ周辺ですと、トラウトロック・ロッジは周囲に何もない湖の中にある島の一軒宿ですので、オーロラ観賞には最適です。昼間のオプションも充実しています。逆に行動派の方にはイエローナイフ市内に滞在しながら、毎夜、車に乗ってオーロラを追いかける「オーロラ・ハンティング・ドライブツアー」もお勧めします。
アラスカですと、フェアバンクス郊外のノーザンスカイ・ロッジはお勧めできます。森の中に7部屋しかないアットホームなロッジで、元々の料金もリーズナブルですが、滞在費用をおさえたい場合は、自炊をすることもできます。温泉につかりながらのんびりオーロラを待ちたい方は、チェナ・ホットスプリングス・リゾートでしょう。巨大な露天風呂が魅力で、昼間のアクティビティーも充実しています。犬ぞりを楽しみながら、アラスカらしい手作りロッジに泊まる「パットさん」のプログラムは、アラスカらしい思い出作りに向いていますし、マッキンリー山とオーロラが一緒に眺められるカリブーロッジは、ちょっと緯度が低くなりますが、他に比べるロッジのないオンリーワンのロケーションだと思います。
フィンランドですとラップランドのネリムやイヴァロは、日本からの乗り継ぎも良く、じっくりオーロラを待ちたい方に向いています。他にはファームステイを楽しみながらのオーロラ観賞も、フィンランドの家庭の雰囲気が味わえてお勧めできると思います。観光的な要素を加えるとロバニエミから列車で移動する個人旅行スタイルは、オーロラと冬の観光の両方を一度に楽しむ方法として、楽しい旅になるのではないでしょうか。
スウェーデンやノルウェーでは、人気の「氷のホテル」をはじめとして、宿泊地や宿泊施設の特徴を吟味して決めるのがポイントだと思います。スウェーデンやノルウェーの北極圏は、アラスカやカナダの内陸部に比べて、比較的温暖な冬であるのも特徴です。例え北極圏であっても北欧らしいお洒落な町もあり、買い物や食事など普通の観光旅行の感覚でオーロラの出現を待ちたい方には向いていると思います。寒さがマイルドな分、昼間のアクティビティーとして、ゲレンデでのスキーを楽しむことができる場所もあります。
ワイルドナビの HP に出ていない場所へのご旅行手配についても、お気軽にお問い合わせください。アラスカに出かけた後にシアトルに立ち寄ったり、イエローナイフの後に秋のロッキー観光に出かけたり、温暖なバンクーバーでくつろいだり、様々な場所との組み合わせも可能ですので、ご希望のプランをお知らせください。過去には-30度のアラスカでオーロラ観賞をした後、バハ・カリフォルニアに移動して+30℃の夏を楽しんで帰国された方もいました。ご希望に合わせたオーダーメイドの旅を一緒に考えていきたいと思います。
何人でオーロラツアーに出かけますか
個人手配ツアーは2名様からのご旅行が基本です。通常のロッジ利用であれば、1名様だけでも追加料金でご旅行いただけるロッジは沢山あります。
写真のサークルの撮影旅行やご家族でのご旅行もお気軽にご相談ください。部屋割りを工夫したりすることで、割安なプランをご案内できるロッジもご紹介可能です。
また、現地ガイドさん同行の特別プランなどもできるだけ少人数での催行をができるように工夫をしております。
ワイルド・ナビゲーションのオーロラツアーは、気兼ねする大人数ツアーではなく、気ままな少人数での旅行が基本です。
オーロラとは
オーロラは太陽から吹いてくる太陽風(プラズマ)が、地球の大気とぶつかって輝く現象です。地球だけではなく木星や土星でも観測されています。特に太陽の活動期には強い太陽風が吹き見事なオーロラが出現します。少し難しい説明になりますが、地球は磁石になっていて、太陽風のプラズマはこの磁力線に沿って両極地方(北極と南極)に集まり、円状になって極に落ち込み大気と反応して発光します。その円の下が、北半球ではカナダやアラスカや北欧で、反対側の南半球では南極になります。この円(輪)がオーロラ・オバール、またはオーロラ・ベルトと呼ばれ、オーロラ観賞に適した場所と言われています
オーロラには様々な形がありますが、これはオーロラの活動のレベル(活発なオーロラか否か)や、上空で発生しているオーロラをどこで見るか(どの角度から見るか)によって変わると言われています。
一般的な活動レベルのオーロラが発生すると、前述のオーロラ・オバール(オーロラ・ベルト)と呼ばれる輪の下に位置する場所が観賞の好適地となります。北半球の町ではフェアバンクスやイエローナイフなどが該当しますが、ちょうど頭の上でオーロラが舞うことになります。この時、もっと緯度の低い場所では、北の低い位置にオーロラが見えています。
逆に、強いオーロラが発生するとオーロラ・オバールが広がり、より緯度の低い場所で真上に見えることになります。その際はフェアバンクスやイエローナイフでは、南の方角にオーロラが見えることになります。
いずれにしても、オーロラは自然現象ですので、どこで良いオーロラが見られるかの予測は難しいので、より確率が高いという意味でオーロラ・オバール(オーロラ・ベルト)の下に位置する場所に出かけるのが無難だということになります。
ところで、オーロラは様々な色で私たちを楽しませてくれますが、色の違いは主にオーロラが出現する高さとプラズマのエネルギーによると言われています。
太陽風(プラズマ)が大気中の酸素と衝突すると緑や緑白色のオーロラになります。この色のオーロラが一番、多く、写真で緑に写っているオーロラはこれにあたります。なお、写真では鮮やかな緑でも実際に肉眼で見ると白く見えるケースが多いようです。
多くの人が一度は見てみたいという赤いオーロラは、高度の高い場所(大気の密度が薄い場所)で酸素とぶつかった時に発生するオーロラと言われています。そして「幻のオーロラ」などとも呼ばれる紫やピンクのオーロラは、プラズマのエネルギーが強い時に、高度の低い場所で窒素と反応して発生すると考えられているようです。
オーロラの形や色は様々で、どこで見るか、どんな季節に見るか、そして誰とみるかでも大きくその印象が変わると思います。一度、オーロラを見ても、また違うオーロラに会いに出かけたくなりますし、見られないとそれがまた悔しくて、また出かけるという「オーロラ病」にかかりやすいので注意が必要です。
オーロラが見られる時期と場所
オーロラは寒い冬にしか見られないというのは良くある間違いです。夏でもオーロラは発生しています。年間300日ほど発生しているという統計もあります。
ところが、空が明るい昼間に見られるような強烈なオーロラは数十年、数百年に一度の珍しいオーロラです。つまり、一般的には昼間は見られません。
そして、オーロラ・オバールがある北極圏付近の高緯度の場所では、夏の間、白夜かそれに近い状態で、極端に夜が短い(暗い時間が短い)のでオーロラを見ることができないのです。
また、オーロラが発生する高度は雲よりも遥かに高い成層圏ですので、雲があるとオーロラを見ることはできません。強いオーロラが起こっているときは、雲の色が変わったりうっすらと雲が明滅をすることがありますが、それは皆さんが期待するオーロラではないと思います。
つまり、オーロラが見られる前提は、晴れていることと、空が暗いことの2つ。あとは、上空の視界が開けている場所であれば良い訳です。
高い建物があったり、電気が明るい町中ではなく、建物がなく、周囲に明かりがない場所がオーロラ観賞に適しています。ただし、そのような場所に長時間いるのはなかなか大変ですし、そのような場所にある宿泊施設は限られています。
オーロラを少し見るだけで良い方には、設備の整った町中のホテルに滞在して、夜のオプショナルツアーで、郊外までオーロラを見にいくような手配も可能です。ただ、できれば一晩中、オーロラの出現を待てるように、少しの不便はあっても郊外のロッジなどに滞在する形をオーロラ好きのワイルドナビとしてはお勧めしたいところです。
いつ、オーロラ観賞の旅行に出かけるか
北半球の場合、夏至をはさんで1ヶ月ほど(5月~7月)は夜が短いので、オーロラ観賞の時期としては除外しても良いと思います。
次に、これはあくまでも一般論ですが、10~11月は天候が不安定な場所が多いので、この時期にオーロラ観賞に出かける場合は、できるだけ長く滞在するのがオーロラに会えるチャンスを広げる単純な考え方だと思います
冬至前後の1ヶ月(11~1月)は、逆に昼間がほとんどないので、昼間の観光やアクティビティーはできません。また、寒波がくると内陸部では氷点下50度前後になることもあるので注意が必要です。それでも、夜通しオーロラを待って短い昼間は寝ていたり、読書などをしながらゆっくりと過ごしたい方にとっては問題ないかもしれません。寒波がくると外にいるのはつらい(または危険)ですが、氷点下50度の世界を体験することもひとつの旅の楽しみと捉える方もいます。
そのような訳で、一般的には8月後半から9月末頃までの秋の季節と、2~4月頃までの冬(または春)の季節が、一番、人気のあるオーロラの季節だと思います。
オーロラを見に旅に出かける際、もうひとつ注意を払う必要があるのは月明かりです。普段、町で暮らしているとあまり意識をしないかもしれませんが、月の明かりというのは非常に明るいもので、満月の夜に雪山にいると本が読める程度の明るさになります。つまり満月の時はオーロラが発生しても月明かりが邪魔をして、オーロラが見えづらいことがあります。特に弱いオーロラだと気がつかないかもしれません。
撮影が目的の方は満月とオーロラは露出をあわせるのが非常に難しくなります。ただ、建物や森と一緒に、雰囲気のあるオーロラの写真を撮りたい場合は、半月程度ですと前景を生かして、良い雰囲気の写真を撮ることができるかもしれません。
このように好みや目的にもよりますが、ご旅行期間が選べるのであれば、できるだけ新月に近い時期に出かけるのが無難だと思います。
なお、秋のオーロラを湖のほとりで見ると、凍結していない湖面にオーロラが映って幻想的な雰囲気になることがあります。そんな景色に期待して秋に湖のほとりに出かけるのも良いかもしれません。
秋は明るい時間も長く、昼間の観光やアクティビティーも楽しめ、寒さもそれほどでもなく、天気がそこそこ安定している場所も多いので、最近は秋にオーロラ観賞に出かける方が増えています。ただし、航空券代金などの関係で、秋は冬よりも費用が高くなる場合が多い点には注意が必要です。
オーロラ観賞の服装
まず、秋(8月下旬~9月末)のオーロラ観賞の場合は、緯度の高い場所でも夜の最低気温は0度前後で、下がっても氷点下5度~10度程度です。したがって、ものすごい防寒具ではなく関東地方の真冬の服装でも、下着や中間着を工夫すればお手持ちの服で旅行することができると思います。
冬の場合、オーロラ・オバールの下にあたる緯度の高い場所は日本人にとっては非日常的な寒さになるので、一般的には現地で専用の防寒具を借りることをお勧めします。その場合でも、日本から持参の下着や中間着には工夫が必要になるので、詳細は持ち物リストなどで早めにご確認ください。
ちょっとした工夫で、随分と暖かさが違いますので、冬のオーロラ観賞にお出かけの際の服装の準備のコツは、経験豊富なワイルド・ナビゲーションのスタッフまでお気軽にお問い合わせください。